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HOLPATTY ex1-4 * 「もう、行くの?」 「仕方ないでしょ、置いていかれたんだから」 レイリアが外套を羽織ったままブーツの紐を結ぶのをラナは奇妙な感慨を持って見守っていた。 ヴェルトマーへ行くレイリアが想像できなかったばかりでなく、こうして一人一人と別れていくことが幻のように思えた。 最後にレスターと別れる時はどんな顔をしたらいいのだろう。そんなことも思う。 「それにしても、パティもなかなか人気があるのね。あんな風に言っていたからそんなでもないと思っていたけど」 「盗みをしていたから?」 「まっとうに生きていたら自分の面倒さえ見られないでしょ。そうしたら、どうしても手を汚さなきゃいけない。わたしだって同じ。踊りが誇れるようになったのは始めてからずっと後のことだから。 「え……でも、それだと」 レイリアは力強く首を振った。 「話してどうにかわかってもらおうと思う。でも、優しいからヴェルトマーにいられるようにさせてしまうんだろうなとも思うのよ。それがいいのか悪いのかわからないけど。 いたずらっぽく笑うレイリアに、黒の舞姫とまで言われた毅然さはない。 掴みかけたものを楽しんでいるような顔だった。 「じゃ、ラナ元気でね。あと、あの人のことよろしくね」 ラナは出てくる言葉もなく、ただ頷くだけだった。 レイリアがため息をつく。 「そんな顔しなくていいのに」 「……わかってるわよ、そんなこと」 「だったらいいわ。他の皆に宜しく言っておいてね」 バーハラを去るダンサーの背は、これからが戦いなのだとラナに語っていた。 (幕間 彼らの彼らとしての最初の足跡・了) |