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HOLPATTY ex1-2




「また、スリープありませんね」

「きっとホーク様が持っていったんだと思うわ。色々と忙しいみたいだから」

 コープルとマナは軍内で保存していた(あるいは所持していた)杖の類の山の前にいた。

「無断で持ち出すのは感心しないことなんですけどね……」

「でも、滅多に使う物でもないでしょう?」

「そうですね。どうせ、持って行くつもりもないですから」

 二人は杖をその用途別に分けていった。

 杖の処分は古物屋で済ますことになっていたのだが、どういった動きなのかエッダの教会が買い取ると言ってきたのを、どうせだったらと次期当主のスカサハが好きなだけガメていいよと言い出したため(その真意は明らかではない)二人はここに来たのだが、この先のことが話題に挙がり、マナがヴェルダンに行くこととその理由を言うと、コープルもヴェルダンに行くと言い出したのだ。当然、マナにコープルをとめる理由はない。

 そして、今ではヴェルダン行きのための掘り出し物高いになっている。

 二人は主に回復に属する杖を選び出した。

「将軍の元に帰らなくていいの?」

「……賊がいないとはいいませんが、トラキアの民は強いんです。助けがいらないわけではないですけど、そうしてくれる手間があれば他を見渡してから自分のするべきことを見定めなさい、ときっと言うでしょうから」

「でも、帰るつもりではいたんでしょう?」

「父さんが一人になるのだったらそうしたかもしれませんね。
 けど、シャルローが帰ると言っていたから。
 あぁ、あとリーンさんも誘おうと思っているんですよ。ヴェルダンへ行くのに。いいって言ってくれたらの話ですけどね」

「……」

 マナは目を丸くする他なかった。

 案外口が達者なのはいいとして、手を回そうとするのも早い。おそらくリーンの事だから悪い返事はしないだろう。

 もしかしたら、この先仕切っていくのは兄でも年上のロドルバンでもなく、この少年かもしれない。

 ……マナはそんな事を思うのだった。





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