トップ>同人活動記録>FE聖戦 風パティ小説 INDEX>六 物とのつきあい方 5
HOLPATTY 6-5 * パティはファルコンに乗せてもらって、ヴェルトマーの近くの教会に向かっていた。エーディンと別れてからさほどの時はたっていない。 セリスに追われる心配もなくなり郊外を歩いていたところ、フェミナに声をかけられてファルコンに乗せられたのだ。 朝から捜していたらしく、フェミナは少し疲れていたようだった。 「アミッドの奴が言うのよ。駄賃はずむから頼まれてくれないかって。人を何だと思ってるんだか」 そう言われても結局引き受けているのだから、フェミナも結構お人好しである。 「……そうだ。パティ、いつシレジアに来る? 迎えに行くから、知っておこうと思って」 「え?」 「えじゃないでしょ。フォルセティを返すんじゃなかったの? ……それとも忘れてたとか言うじゃないでしょうね」 パティは細かく首を振る。 「そんなことないって! まさか……ねぇ」 しかし、時期を考えていないのは事実だった。 「でも、いいよ。わざわざ来てもらわなくても」 「そう言わないでよ。シレジアは天空騎士の手を借りて移動するのが普通なんだから」 「……え?」 「夏はいいけど、冬は大変よ。よっぽど良い天気じゃないと見習い騎士程度じゃ飛んでいけないから。 ……恐るべし、シレジア。 「けど、いつ行くって言ったとしても予定とか狂っちゃうんじゃないかな。結局、シレジアまでは歩きだから何が起こるかわからないし」 シレジアに行くには、コノートからリボーまでを解放軍のとった行軍進路を逆流して、そこからはイザーク国内を左回りで行くか、イードとイザークにまたがる山脈と砂漠の間にわずかに残る平地を歩くしかない。 イザークを経由するのだったら、エーディンとの約束があるから国内を回った方がいいが、それは帰りでもできる話である。 フェミナは眉間にしわを寄せた。 「こうなったらあたしが一から十まで面倒見るかな……」 その口調は本気である。パティが引きかけるほどに。 「いいよ、そんな、そこまでやってもらわなくても」 「駄目よ」 フェミナはきっぱりと言った。 「お兄ちゃんがあそこまで女の子と話すのは二十年に一期くらいしかないんだから。もう一度ブレイクしたときにはもう四四歳よ? 冗談じゃない」 「ブレイクって……そこまで言わなくても」 第一、パティとホークの会話は、ハタから見たら世間話の域を出ていない。それが、フェミナから見るとものすごいブレイクにあたるらしい。 「大体、この軍にいてパティ以外の子と話してるの見たことないわ」 「そりゃ……そうなんじゃないの? ホーク様から見たらここにいる子のほとんどは若すぎるだろうし。まぁ、あたしもそうだけど」 最後まで聞く前に、苛ついているフェミナの動きがピタッと止まった。 上空にあるというのに危ない動きである。 「……そっか。そうだよ。そりゃそーだわ」 一人納得してうんうんと頷く。 「いいこと言うね。パティでも」 最後は余計である。 切り替えの早いフェミナは上機嫌になった。 「他の人は他の人で置いといてさ、シレジアに来たら天空騎士の宿舎においでよ。もしあたしがどこかの警備に当たってても取り次げるように仲間に頼んどくから」 そこまで言われては無下にするわけにはいかない。 「わかった。でも、ホーク様はまだお父さんを捜すんでしょ?」 パティの予想に反してフェミナは否定してきた。 「放浪する人は捜すだけ無駄だって言ってた。だから、帰ることにしたみたい」 「やっぱり、ファルコンの後ろに乗っけるの?」 軽く言ったつもりだったが、一瞬の間が生まれた。 「……野郎なんか二度と乗せたくないわね」 「ヤなことでもあったの?」 「まぁーね。 これを機にフェミナの不機嫌は教会に着くまで続いた。 |