トップ>同人活動記録>FE聖戦 風パティ小説 INDEX>五 悪夢はひっぱたいて退散させよう 2
HOLPATTY 5-2 * 騎馬部隊がバーハラ郊外に着いたのは翌日の夕方だった。本陣では解放軍の主軸徒歩部隊がいる。 バーハラ城では戦闘が行われていた。 徒歩部隊が偵察したことによると戦っているのはユリウスの十二魔将とイシュタル率いるヴァイスリッターだった。 ヴァイスリッターの使者がセリスに謁見して言うことによると、彼らはイシュタルたっての願いで十二魔将と戦っているのだという。 セリスがすぐに駆けつけようと行ったのだが、使者は自分達が尽きるまで放っておいて欲しいと言い、去っていった。 その顛末をパティが聞いたのは、ファバルと会って話をし、結局レヴィンは誰とも(セリスやシャナンにも、会えた様子はなかった)会えなかった事がわかったあとだった。 知らせを持ってきたのはアミッドである。 二人はホークの所へ行こうとして揃って歩き出した。 「はっきり言っちゃあ何だけど、こんな事されても嬉しくも何ともないわね」 フリージで、イシュタルがわけのわかんない事を言った結果がこうなると予想がつかなかったのもそうだが、元々十二魔将さえどうにかしてしまえば、ユリウスなんぞちょちょいのちょいでどうにかできたはずの場面だっただけに、パティの(おそらくアミッドも)持つ「余計なことしやがって」感は簡単にはなくなりそうにない。 が、パティのように思っているのは、解放軍内では少数派になる。 それも当然の事で、イシュタルは敵であっても絶対に味方にはならないと思われていたのが普通の見方である。しかも、こんな前置きがあっての事情なんぞパティ達三人しか知らないことだった。 今となっては、あわよくば共倒れしてくれればと願う者も出てきているのではないだろうか。 「ひょっとしたら、死ぬ気じゃないか?」 「かもね。バカバカしいけど。 「妙に庇うんだな」 「微妙だからね……何となくだけど、わかる気はするから」 パティは、あ〜あとため息をつく。 「ユリウス皇子をこっそり殺して来れれば面倒抜きで万々歳なのに」 アミッドが苦笑する。 「そりゃ、無茶苦茶だよ。大体、どうやってやるんだ?」 「なら、わたしが手伝いましょうか?」 ナーガの書を手に後光の差すユリアが、にっこり笑って二人の会話に割り込んできた。 「あまり人死にを出すのは良くないと思っていたのです。だから、丁度いいでしょう?」 「?」と問われても、二人はすぐに応じきれなかった。 二人は顔を見合わせる。 「どうする?」 「って、言われても……。なんか、乗り気だよねぇ」 「だったら、巻き込むか?」 「あんた、本気で言ってるの?」 「総大将が動かないなら、こっちが動くまでだろ」 「あんた、言うようになったよねぇ……」 「悪かったな」 「……」 パティは半ば嫌そうな顔をしながら、ユリアの方を向いた。 「付き合う気があるなら、ついてきてくれる?」 あくまでも消極的なパティであった。 |