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三 両者、接近せし



 ユングヴィの北東でスコピオを討ってから十七日が過ぎ、解放軍はフリージ城に拠点を置いていた。

 解放軍本隊では、エッダ城の攻略の際にセリスとアレスの聖剣・魔剣コンビが戦場を荒らし回り、その威力の凄さで平原の一部が荒野となって、レヴィンとシャナンに厳重注意を受けるといった一幕があった。ドズル戦の時は、シャルローがバサークをブリアンにかけるつもりだったのだが、バサークの杖の代わりにバサークの剣があって大パニックになりかけたところを流星剣の双子の活躍によって難を逃れた。ちなみに、対ブリアンには実弟のヨハンが立ち向かった。その直前、レヴィンがヨハンにこう言っている。

「お前には神の強い血はないが、頼れる者がいる。お前の叔父は結果的には一人で父親を倒したが、後ろにいた者を信じていた。それを覚えておけ」

 聞いて戦場に赴くヨハンの背を見てレヴィンは呟く。

「時と共に人も物も巡るものなのだな……」

 ヨハンの持っていた斧は、ダーナの古物屋で十年以上前から置かれていた物を買い入れたのだという。

 レヴィンの中で戦場にて相討たんとする親子の姿が浮かんだ。雪の残る北国の城。

「……?」

 レヴィンは首をかしげた。なぜさっきからあんなことを言ったり、思い浮かべたりするのだろう。

 それは思い出さないようにしてあるはずなのに。





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