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「Noise messenger[2]」 2-2:5






 夜の帳が下り、ルザ達ティーザの騎士達は再び指揮官に呼び出されていた。

「明日、攻撃を仕掛ける。我らの配置は先頭だ」

 騎士達は一様に動揺した。彼らは小さい勢力の歩兵集団であり、先陣に入ってもそこまで重要な場所に入ることはないと思われていたのだ。

 しかし、そうした扱いをされる理由がひとつだけある。

 騎士のひとりが口を開いた。

「――来ましたか」

 誰が、とは言わない。言わなくても十二分にわかっているからだ。

 指揮官は重々しく頷く。

「我らの存在を聞きつけたかどうかはわからん。攻勢を仕掛ける軍議のさなかに報せられたのでな。

 同盟軍の戦力が増強して、今を逃せばしばらくは耐えるしかなくなるとあって司令殿も相当気合いが入っておる。策を練られた上でこうした位置になったが、おおよそは囮のような役目だ。これを成功させれば伯爵様にも朗報となるから、大いに励むよう頼むぞ」

 通達が終わり、散会する騎士達には緊張の気配が漂っていた。来るものが来た、という風情だ。

 ルザもまた腹を決めるしかないと気持ちを閉ざしつつあった。





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