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「諸記 カシミア〜グルニア戦」あとがき


 初の番外編をお届けしました。

 何がどう番外編かというと、シリーズの主役たるマチスがいません。あとは、全ページを縦書きにして、タイトルが日本語です。タイトルは見事なまでに何も捻っていませんが。さすがに三章分を20ページ強で終わらせるのは無茶というか、接続詞のレパートリーに挑戦された気分でした。
*Web版では縦書きにせず、書体を変えました。


 前作でアリティアを終了し、次はカシミア、ラーマン、グルニア。特にグルニアの戦いは描きたいし、ここが経過のひとつになる人もいるから書かないといけない場所ではある。けど、まともに書いたらワーレン超えのページ数になってしまう(ワーレン編こと「THE CARENDAR」は今の版で60ページです)。それに、この範囲でマチスの行動を本筋に絡めようとするとグルニアの終盤から登場する事態になりかねないほどに、脇の方面が表の展開ど真ん中を行ってしまっている。

 それならもうゲームの本編に当たる部分は番外編にして、実験も兼ねて普通の会話シーンは一切出さないようにしよう、と決めたのでした。だから無料配布とさせていただいた、という背景もあります。

 今回描くことを最初から決めていたのは、アリティア新聖騎士選抜の行方、マルスと神竜の邂逅、元アカネイア将校のグルニア行、とこんなところでした。それに加えて、できればグルニア戦をたっぷりと描きたいなぁ、と。その希望枠が淡白に終わったどころか、いつの間にかニーナの話……という言い方はあれですが、ともかくニーナ抜きには語れない展開へ組み上げるようになったのが著者としては意外でした。……なんというか、このシリーズに絡んで色恋沙汰を考えて考えて考えて、挙句、軸として据えることになるとは思いませんでした。


 ここからは若干の小ネタを。


 アリティア新聖騎士の決着はSFC版2部のカインとアベルの初期ステータスから、この結果になりました。結果については思いついた時からずっと黙っていたのに、友人にはあっさりと見破られたのがちょっと悲しかったです。


 今回は史実に沿ったシーンが多い中、マルスがオリジナルキャラ級に異彩を放っていますが、ひいきにしているとかそういう事ではなく(実際にゲームをプレーする時は制圧以外にまず使いませんし)、これも必要に応じてのことですのでご容赦を。


 名前なきアカネイア将校のエピソードは、この戦争の中でこういう事もあったんじゃないかな、というひとつの説話として入れています。重要な結果のみを決めて書き始めているので、予想外のオプションがつくこともままあったりするのが書いていて面白いところですね。「なんでこんな所にデビルソード持ちの盗賊がいるんだろう→ひょっとしてワケありなんじゃ?」という具合で。


 ウルフのニーナ信奉に関してはFC版のエンディングを元にしています。グラの時のあとがきで書いておこうと思ったのですが、書きそびれてしまいました。


 カミユとの戦いについては、FC版のグラディウスの重さが4しかないというか、槍の中で一番軽いことに絶望すら覚えまして、SFC版の仕様にすることも考えました。が、メリクルをFC版の仕様にしているため、グラディウスもFC版に準拠する必要があったわけで。その上、騎馬同士の戦いということで槍同士にする必要があって、これじゃあよほど瀕死にしないといくらハーディンでも勝てないよと思ったのですが、それを解決する策としてニーナの貴布(やたら長いリボンをイメージしています)を持ち出しました。素早さ+4〜5くらいはあるかな、と後から思ったのですが、もしかしたらカミユにも作用したのかなぁなどと思ったりしています。

 ちなみに、カミユについては外伝とかSFC版2部は絡めていません。ゲーム内の最期の科白が全てです。



 番外編といえば、バヌトゥやベックが主役になるペラティ編やメニディ編の構想もあったのですが、まさか最初の番外編がこういう形になるとは……長く続けていると、予想しない事が起こるものです。



 この作品が非常に読みにくいのは承知していますので、楽しんでいただけたら幸いですと言うのは奇妙ですが、お付き合いくださった皆様ありがとうございました。

20070812 CD

Special thanks!
 蒼芭 若狭様、毎回毎回お世話になっています。
 多分、今までの中でこの本の存在を一番喜んでいるかと思いますが、書き始めた時からそんな予感はありました。





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