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「諸記 カシミア〜グルニア戦」 3-6 |
* 安定した拠点を得て、解放軍はこれから本格的な巻き返しを図ろうとしていたが、むしろここからが曲者だった。 港町からはるか西に位置するグルニア城は山と森に抱かれていて、ただでさえ攻めあぐねる要素を備えている。黒騎士団だけでも厄介なのに、守りに長けた大重騎士隊と爆裂弾を発射する大陸最強の戦車まで配備されていた。 そして、最大の障害は宝槍グラディウスを持つカミユ自身だった。 現実的な問題として、今のところドルーアもマケドニアも手を出そうとはしないものの、長期化すれば解放軍を潰そうと動き出すのは間違いない。焦りたくはないが、短期決戦で勝ちを収め続けてきた解放軍は戦況の停滞に慣れていないから、そこでどうなるかが不安の種だった。 自分達で下ろした橋を再び上げて、南からの攻撃をしのぎならも先の模索に決着がつかない日々が五日ほど続いた後、シーダが首脳達に提案を出した。グルニアの将軍に知己の人間がいるので、この人と接触させてもらえないだろうか、と。 東の最果てで生まれ育った王女にグルニアの知り合いがいたことに一同は驚いたが、話を聞いてみると、この将軍はタリス王と懇意にしており、最近まで手紙のやりとりが続いていて、グルニアがドルーアと組むのに難色を示していたという。 どう転ぶかはわからないが、グルニアがこれ以上硬化しようもないのは明白であるし、やらないよりは良いだろうとまずは使者を出すことになった。 |