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「諸記 カシミア〜グルニア戦」 3-4






 林の中に、数十人の死体が横たわっている。

 悪魔の剣が啜った命はこのうち十三人。残りは悪魔の剣と知った騎士が勝手に何かに取り憑かれ、それが残りの連中に伝播してこの惨状を生んだ。

 その渦中にあり、悪魔の剣を操った元アカネイアの将校は、しかし生きていた。前の持ち主はたったひとりと戦って命を落としたから、そう長くは持たないと踏んでいたのに、悪魔の気まぐれとはわからないものである。

 因縁の相手である部将は無事――と言っていいかどうか怪しいものだが、命を奪うことはできた。今の代ではほとんど面識もない人間同士だから、そういう意味ではこの部将も気の毒である。

 けれど、目的を達成した今、これから自分はどうすればいいのだろう。

 アカネイアに戻れず、悪魔の剣を抱えてさまよい続けるのか。

 元将校は考えを口にしてしばらく佇んでいたが、それも一興か、と疲れきった顔をひきつらせるように笑った。





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