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「ENEMY IS D」 2-6 |
* かくて、マルスは自分の国を取り戻し、国民からは尊敬の意を込めてスターロードと呼ばれるようになった。荒れた国を元通りにするのに時間はかかるが、これまで三年もの長きにわたり不在だった王族が戻ってきた喜びは大きい。 今回の主な功績はアリティア人がほとんどを占めることになったが、若い騎士達がマムクートを討った前例を作ったことから、どちらかというと今後の戦力強化に論点が集中し、無為の敵を生むことはなかった。 この流れに最も貢献したのが、オレルアン王弟ハーディンである。 パレス奪回戦、カダイン戦、そしてこのアリティア奪回戦と、大きな戦に際してマルスに譲る機会の多いこの聖騎士は、さぞ鬱憤が溜まっているのではないかと余計な気配りを回そうとする者もいたのだが、彼はそうしたものを全て退けた。そればかりでなく、若く成長著しいマルスを褒めてみせた。 目先の輝ける光が眩しすぎると感じる時もないではない。だが、それはいつまでも続くものでもない。 今はそうさせておけばいいと思った。 |