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「A GRAY SWORD」 3-3







 勝利を目の前にしたにもかかわらずガーネフが撤退したため、マルスを中心とした解放軍の被害が拡大されることはなかった。

 それでも一度に受けるものとしては今までにない被害だったため、解放軍は撤退を視野に入れたが、最終的にはカダインの魔道士とマケドニア竜騎士団を破って勝利を収めてしまったのである。

「相変わらず無茶苦茶だな、この軍……」

 マチス隊は後方部隊の護衛に組み込まれたため、勝利の報を前線からはるかに遠い所で聞いたのだった。

「でも、これでやっと安心できるな」

 マチスが言うのに、天幕の中からほがらかな声が返ってきた。

「兄さんがこんなに守ってくれたのは初めてだったものね」

 くすくす笑う声が低い所から聞こえるのは横たわっているからだった。

 マチスの懸念は別のところで当たり、駆けつけた時にはレナが負傷していた。前線が崩れたためにエルファイアーを使う魔道士に後方部隊が襲われ、魔法防御を施しているところを狙われてしまったらしい。防御の法力は術者を守らないために狙いをつけられたのだろう。

 幸いにも、治療が早かったことで大事には至っていない。今寝ているのも念のためにとジュリアンやマリアに言い聞かせられたからだという。

「ま、無事で良かったよ。生きててくれりゃ十分だ」




 ガーネフの討伐と神剣ファルシオンを逃した代償は少なくなく、マルスの故郷アリティアを取り戻す戦いに入るために解放軍は多大な建て直しを強いられた。

 カダインの戦いで傭兵を中心とする歩兵部隊を大きく損なったため、編成の組み立てを変えてアリティア奪還に望むことになる。



(A GRAY SWORD : end)





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