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「BRAND」 1-1




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 ペラティの脅威を排除した同盟軍は、レフカンディの南の出口と西の山脈を巨大な戦線として、本格的なアカネイア解放の足がかりとした。九月初旬のことである。

 パレス奪還を目標とするは、軍備をほぼ立て直したオレルアン勢を中心にした二万の軍勢。これに対する帝国側は、レフカンディの西の稜線と南への街道に戦力を集結させ始めた。最終的にこの数は二万五千ほどになるとみられている。同盟軍の陸攻めが予想されていたこともあり、集結に手間取ることはなさそうだった。

 同盟軍はオレルアン王弟ハーディンが実質的な指揮を務め、アリティア王子マルスも後陣に控えるという万全の体勢でいたが、この軍は九月の間、戦線を前進させることができなかった。

 ワーレン、ペラティと連戦してすぐの戦では勝てるものも勝てなかろう、というのが敵味方を問わぬ論者の考察だった。

 だが、その軍勢に実際にはマルスの姿はなく、少なくともアリティアの勇士はほとんどいない。とはいえ、オレルアン兵がアリティアの偽装をしていたから、一月ほどの間これが気取られることはなかった。

 何のためにそうしたのかといえば、レフカンディの境を中心に大掛かりな戦闘を繰り広げておいて、その隙に別の部隊がディールを陥としていたのだった。





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