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「THE CALENDAR」 4-1 |
(4) グルニアの将軍カナリスはよからぬ噂によって前線の兵に軽視されていたが、噂通りの堕落しきった人物ではなかったという。 城の私室にこれといった凝った代物はなく、世話をしていた使用人からカナリスに対する悪評はなかった。懸想の話も中傷だったらしい。 だがそのほとんどが推測めいているのは、津波が被さるように彼(か)の城を同盟軍が攻略してしまったために、内実を得るに至らなかったせいである。 二千の兵を乗せた船団が城を抱える島に接岸し、一気に島内の城以外を押さえるや大ワープをもってして三人の強者が転移して、城が城でないかのように千の部隊と共に三人が踏み込み、強者のひとりがあっさりとカナリスを斬り伏せてしまった。 ちなみにこの時マルスはまだワーレンに留まっており、敵の指揮官を自身の手で倒せなかったことを悔しがったという話が残っているが、これで終わりではない事を知っていたからか、この文句が尾を引くことはなかった。 なお、戦時になってもカナリスが手元の兵を二百しか置かなかった理由もまた、同盟軍の諸将が知ることがなかったために明らかにされなかった。 |