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FIRE EMBREM 暗黒竜と光の剣
「買い出し」
3-1





  
‐ その後の顛末 ‐



 仕入れを終えた十人はシーダと別れて、王都へと戻る。

 途中のグルニア兵とも特にこれといったイザコザはなかった。

 預かっていた物をマチスが返しにいくと、マルスはそれに伴う報告を省略させてきた。カインから聞いた方がより確かなものになるから、それも仕方がない。敗残兵のことはもちろん、闘技場のこともマルスの耳に入るのだろう。

「――何だかなぁ……」

 警備任務が回ってくるまでの間、休んでいいと言われ宿舎の部屋に入ったものの、真昼であることも手伝って、どうにも眠る気がしなかった。

 色々なことで疲れていることはいるが、どうしても、“賞金首”という言葉が耳について離れない。

 半ば忘れていたが、自分は身分を剥奪され、あまつさえ国を裏切った貴族である。が、実際に狙われるとは思わなかった。同じマケドニアの人間なら、王女ミネルバや天馬騎士三姉妹の方がグレードは高いに違いないと思っていたからなのだが。

 ……それとも、狙いやすいからなのか。

 考えてもきりのないことにふけっていると、ドアが叩かれた。

「はい?」

 返事をしながら立ち上がって、ドアを開けるとバーツがいた。

「悪い、寝ていたか」

「別にそうでもないけど」

「……これを」

 そうして渡されたのは、割符だった。

「明日、これを持って荷駄隊に行ってくれと」

 割符には数字が書いてあるだけで、他に手がかりになるような物はない。

 給付物かと思って、その場では特に追及はしなかった。





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