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「Noise messenger[1]」 1-3:2






 南の地はマケドニア軍各部隊の兵が選りすぐって集められ、守りについていたが、解放軍の強気の攻めと時に冷静な対処が短期間にして城の包囲にまで至らせてしまった。

 オーダインはこの結果を心のどこかで予測していたが、それにしても早すぎた感が強い。騎馬騎士団を使って敵の先鋒を孤立させて叩こうとしたのも、城に近づいた所で増援の竜騎士隊とグルニア人の作った戦車隊を同時に出したのも、解放軍の予期しない要素としてきちんと働くはずだったのに、この有様である。

 その一方でこの結果を予期していたのは、出身の異なる部隊を寄せ集めてしまったためにこれという作戦以外は、各部隊の動きを彼らに委任させざるを得なかったためだ。

 元よりオーダインは自らの武で聖騎士の叙勲を受けている。こんな結果になるのなら、老体を惜しまずに白馬を駆って当たるべきだったか――そんな思いすら抱いた。

 だが、ここまで勝負が決してしまうと腹を決めねばならない。

 城内では王都からの増援を待って徹底抗戦すべしとの声も出ていたが、解放軍との兵力差を鑑みると長期戦に持ち込めるかはどうか怪しいところだ。

 そんなさなか、解放軍の使者がオーダインに当てた書簡を持ってきた。

 降伏を促すのだろうと予測された内容は概ねその通りで、ミネルバから帰順を求める文章があった。

 同じ国の者同士で戦うなど悲しい事に他ならない。今からでも共にドルーアを倒すため手を携えてゆきたいから、槍を納めてはくれないか、と。

 オーダインは使者を害しなかったものの、降伏勧告は受け入れなかった。

 ミシェイルを王として戴いたのは、マケドニアがアカネイアから冷遇される立場から脱却できる事を期待したからだ。この点は騎馬騎士も竜騎士も変わらない。

 それを形勢が傾いているからといって寝返るのは騎士の態度ではない、とすら感じる。

 日を置いて、また使者が訪いを告げた。

 今度は書簡を受け取らずに、こちらから書簡を押し付けた。

 ミネルバには耳の痛い話だろうが、残される者、、、、、にとっては大事な問題である。

 まともに取り合ってくれるのを願うばかりだった。





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