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「Preparedness」 2-3






 翌朝、グルニア王都を出立しようとする先々代のバセック伯爵をひとりのシスターが見送りに来ていた。

「お祖父さま、どうかお元気で」

「まだまだ心配には及ばぬよ。レナこそ大変じゃろうが、無理をしすぎぬようにな。それと、王女殿下への不義理は詫びておるが、重ねておいてくれ」

「ええ……はい、承知しました」

「戦が終わったら、また村に来るがいい。その時は、色々な話を聞かせておくれ。例えば、おまえについておった赤毛の若者の事とかな」

 澄ましていたレナの顔がぽっと赤く染まった。

「お、お祖父さま、彼はそんな人じゃなくて……」

「一度しかない花の人生、楽しまねば損じゃよ。では、達者でな」

 老人は闊達に笑って、街門へ消えていった。





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