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「00Muse」 3-1 |
(3) 「結局は同じ方法か……」 マチスは話相手に気づかれないよう、こっそりと唸った。 殺人鬼に対して上手いこと人海戦術が取れないものかとアカネイア兵の指揮官とシーザに相談してみたが、この数では限界があって難しいというのが両者の答えだった。 元々、熱心に取り組もうとしていたわけではない。手立てがあれば試してみてもらおうかと思った程度だ。 直接睨み合ったというのに、殺人鬼の特徴はあまり記憶にない。全身を赤黒く汚した姿を日陰で見たものだから、顔立ちも年の頃もよくわからない。やや細身らしく見えたのと、耳が隠れる程度の髪の長さが現在の確実な手がかりだった。 赴任して三日目だというのに、やたらと忙しない。既に十日分の出来事に見舞われているような気分だった。 |