トップ同人活動記録ELFARIA非公式ノベライズ[1] INDEX>1章 水の国カナーナ 2-1



ELFARIA [1] 2-1



 ワース村の北、ダムス村に入ってもパイン達は危なげなく魔物との戦闘をこなしていた。

 剣士と名乗ったジーンは、実は近衛の兵士であり、己の実力で王から宝剣を賜ったという実績がある。その実力とメルドを施した剣があいまって、戦えないラゼルを背に庇いながら魔物を斬り伏せるという、余裕の戦いぶりを見せている。

 一方、若い頃に氷の攻撃魔法と若干の補助魔法を体得しているウッパラーも、ジーンに劣らぬ働きで貢献し、戦闘の時は庇われるだけのように思われていたラゼルは、しかし怪我をした人間がいればすぐに飛んでいって傷を治し、人数の少ない一行をよく助けていた。

 そこでパインはというと、割と上手く剣を使いこなし、自由に動ける分、ジーンと同じくらいに数多くの魔物を撃破している。

 元々ロマは学者の里ということもあって若者の数が少なく、戦いの旅に一行の数をこれ以上増やすことはできなかった。だが怪我の功名というか、数が少ないということはチームワークを成立させやすく、かえって戦いやすくなっている。

 さらにパイン達を助けていたのは、魔物の軍隊の成り立ちだった。村を魔物から解放するのに、わざわざ殲滅させる必要はなく、隊長格の魔物を倒せば村から他の魔物は一気に消滅するのである。これは占領した魔物がラの泉(どんなに小さな集落にもこの泉は掘られている)を使って他の魔物を作り出し、それらの生命は全て隊長の魔物に拠るためだと推測された。

 ワース村でこのことに気づいたパイン達は、ダムス村に入ると極力他の魔物と戦わないようにし、結果、かなり少ない体力と魔力の消耗で村を解放することができたのである。





BACK                     NEXT





サイトTOP        INDEX