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マリー、エリー&アニスのアトリエ イベント会話集
= シュワルベ、キルエリッヒ =


INDEX
(シュワルベ)
逆巻く風 (M)
路地裏の影(1) (M)
路地裏の影(2) (M)
さかうらみ (M)
雪まつり、雪像前にて (M)
(キルエリッヒ)
赤き薔薇の思い出 (M+1)
エリーとキルエリッヒ (M&E)
となりの芝生 (MorE)
聞かザル? (M)
人間界と魔界の関係 (MorE)
教会とキルエリッヒ (MorE)
ミルカッセとキルエリッヒ (MorE)
母の祈り (MorE)
ほころびの原因は? (MorE)
離れゆく世界 (MorE)
キリー再び… (MorE)






[シュワルベ]


『逆巻く風』

シュワルベ ザールブルグ……
      この街はなにも変わらんな。
マリー   そんなことないよー。
      国王は変わったし、大図書館だってできる!
シュワルベ 俺が言いたいのはそんなことじゃない。
      この街をとりまく風が変わらないということだ。
      俺はこの風にはなじめない。
      盗賊だったことを思えば受け入れられるはずもないがな……。
マリー   …………
      …………




『路地裏の影(1)』

マリー   (あれ? あの路地にいるのは……)
謎の男   おいおい……頼むぜ! あんたのちからが必要なんだ。
シュワルベ ……断る。
謎の男   へへ、冗談よせよ。こんなおいしい話は他にないぜ。
シュワルベ …………
      …………
謎の男   ま、今日は消えるけどよ。前向きに考えてくれよな。
      じゃあな!
マリー   …………
      …………
      今の、誰?
シュワルベ !?
      ……きさまか。
      立ち聞きとはいただけんな。
マリー   ごめんなさい。でも、今のは……。
シュワルベ きさまには関係ない。……じゃあな。
マリー   …………
      …………




『路地裏の影(2)』

マリー   (あれ? あの路地にいるのは……)
謎の男   おいおい……本気か?
      俺がこれだけ頭をさげて頼んでんだぜ?
シュワルベ その件なら前にもいったはずだ、……断ると。
謎の男   けっ! そうかい!
      自分だけ足をあらったつもりかよ!
      まあ、いいさ俺たちは俺たちで勝手にやる。
      ……あばよ!
シュワルベ …………
      …………
マリー   今の人……、前にも話しをしてた人だよね?
シュワルベ ……またきさまか。
マリー   もしかして昔の盗賊仲間?
シュワルベ …………
      …………
マリー   やっぱりそうなんだ。
シュワルベ だったらなんだ?
      この街で俺に声をかけるのはああいう連中かきさまのような妙なやつだけだ
      ……じゃあな。
マリー   …………
      …………




『さかうらみ』

マリー   あ、シュワルベだ。
      おーい、シュワルベー!
シュワルベ なにか用か?
マリー   ん?
      別に用ってわけでもないよ。見かけたから声かけただけ。
シュワルベ くだらないことで俺に声を……
謎の男   おい、野郎!
シュワルベ !?
      (……少しさがってろ)
マリー   (あ、うん……)
謎の男   てめぇ!
      計画をもらしやがったな?
シュワルベ なんのことだかわからんな。
謎の男   しらばっくれやがって!
      てめぇのせいで俺以外はつかまったんだ!
      きっちりお返しするぜ!
      痛い目を見せてやらなきゃ腹の虫がおさまらねえ!
シュワルベ …………
      …………
マリー   (シュワルベ……!)
エンデルク なにをやっている?
      ……む、きさま、盗賊団の!!
謎の男   ちッ! 聖騎士どもか!
      ……あばよ!
エンデルク 追え!
騎士    はッ!
シュワルベ …………
      …………
エンデルク 仲間割れ、ではないようだな。
      ケガはないか?
シュワルベ ケガ?
      俺がケガをしようがしまいがきさまには関係ないだろう。
エンデルク そうはいかぬ。
      市民を守ることが我々の義務。そしておまえも市民だからな。
シュワルベ …………
      …………
      ふん、じゃあな。
マリー   シュワルベ……
エンデルク 君もケガはないようだな。
マリー   はい。
      ……隊長さん、シュワルベの情報で盗賊たちの計画が判明したの?
エンデルク いや。やつらの計画などどこからでももれるようなずさんなものだったのだ。
マリー   そっか。
エンデルク ……信じてやれ。
マリー   うん。





『雪まつり、雪像前にて』

マリー   あれぇ?
      なんか今日は道行く人がみんな着かざってるね。
セシル   今日は雪まつりなんです。
      会場にはいろんな雪像がありますよ。
マリー   お祭りか……。
      ねえ、シュワルベ、見に行ってみない?
シュワルベ なんで俺が雪の像を見に行かねばならん?
マリー   そりゃあ……。
      面白そうだから、じゃない?
シュワルベ くだらんな。女子供みたいにはしゃげるか。
マリー   あ、そういう言い方は女性や子供に失礼だよ。
シュワルベ ふん。
マリー   あっ、そう。
      行かないならセシルと世間話でもしようかな……。
      ねえ、セシル!
セシル   はーい、なんですか?
マリー   これはあたしがアカデミーの生徒だったころの話だけど、ザールブルグに盗賊団が……
シュワルベ くッ!
      わかった、わかった! 行ってやる!
マリー   決まりーっと!
      セシル、ワイン1本もらえる?
セシル   はい、どうぞ。
マリー   それじゃ、行こうか!

(マリーとシュワルベの一枚絵)
マリー   はい、かんぱーい!
シュワルベ …………
      …………
マリー   どう?
      こうしてのんびりと雪像をながめるのもいいものでしょ?
シュワルベ 答える義務はない。
マリー   意地はらなくてもいいのに。
シュワルベ ふん。
マリー   …まだ、昔のこと気にしてるんだね。
シュワルベ …まさか、小娘だったおまえに俺の盗賊団がつぶされるとは思ってもみなかったからな。
      ま、そのおかげでこうして冒険者などやっていられるわけだが…
      盗賊であったことには変わりがない。どうあがいても過去は変えられん。
マリー   …けど、明日があるよ。
シュワルベ フ…。

…………
…………

マリー   あー、楽しかったぁ!
      また来年も見られるといいよね!
シュワルベ ふん、俺はごめんだ。
      ……まあ、ワインはうまかったがな。





[キルエリッヒ]


『赤き薔薇の思い出』

エリー あれ? マリーさん、ぼうーっとしてますね。
    どうしたんですか?
マリー ん? ああ、ちょっと昔の知り合いのことを思い出してたんだ。
    赤バラのキリー、って呼ばれてた冒険者なんだけど…
エリー 名前は聞いたことあります。赤い髪の冒険者ですよね。
    すごい強かったっていう……。
マリー うん。本名はキルエリッヒっていうんだけどね。
    なんか急に思い出したんだ。
エリー そうですか。
    その方は、今もどこかを冒険なさってるんですか?
マリー ううん。
    自分の世界に帰っちゃった。
エリー ???	……自分の世界?
マリー あ、気にしないで。
エリー はあ……。





『エリーとキルエリッヒ』

エリー    …ところでマリーさん。
       キリーさんて、魔界から来た人だから魔人…ですよね?
マリー    うん。そうだね。
エリー    確かにキリーさんは人間ばなれした強さを持ってますけど…
       どこからどう見ても、ふつうの人間にしか見えませんよね?
マリー    …あはは。
       そ、そう言われればそうだね。
エリー    それに、すごく美人ですし…キリーさんが魔人だなんてどうも信じられないなぁ……
マリー    …え〜と。
エリー    …そうか! 魔人の姿のままでこっちの世界を歩くわけにはいかないですもんね。
       ということは、あの姿は仮の姿…? じゃあ、本当の姿は…? う〜ん……
       マリーさんは、キリーさんとは昔からの知り合いだったんですよね。
       マリーさんならなにか知りませんか?
マリー    え? …うん。
       あれがありのままの姿だよ。
エリー    …そうなんですか。
       でも、どう見ても魔人じゃなくて人間にしか見えないよなぁ。
キルエリッヒ …それは、人間の血が半分流れているからよ。
マリー    え!?
エリー    わわ! キリーさん!!
キルエリッヒ うふふ。驚かせてしまったようね。
       ごめんなさい。
       ノックしたのだけど返事がなかったから、扉を開けたら声が聞こえてしまったの。
エリー    こ、こちらこそ気がつかずにすみません!
キルエリッヒ いいえ。私なんかに興味を持ってもらって嬉しいわ。
       …そうね。いい機会だからあなたにも少しくらい 私の身の上話をしようかしら。
エリー    …………
マリー    …………
キルエリッヒ そう。私には人間と魔人の血が半分ずつ流れている。だから、人間でもない。魔人でもない。
       鳥にも獣にもなれないコウモリのような存在。私はそんな中途半端な存在なのよ。
       そんな自分がイヤでしょうがなくてね、ずいぶんと我が身を呪ったわ。
       …それ以上にその原因をつくった私の父親でもある魔人ファーレンを憎んだ。
       当時ファーレンはエアフォルクの塔に君臨していたの。だから人間界までやってきて復讐したのよ。
       …そんなとき、人間界で知り合ったのがマルローネだったの。
       もちろん人間なんて大嫌い。
       けど、マルローネだけには心を許せたの。…なぜかしらね。
マリー    あはは…。
キルエリッヒ なんとか復讐は果たしたけど、私という存在は何も変わらない。
       あたりまえよね。
       今さら自分を否定しても何も始まらない。だから、とことん魔界で戦い続けたの。
       自分の居場所を見つけるためだったのかもしれない。
       マルローネのひたむきな姿を見たからかもしれない。
       気がついたら、いつのまにか玉座に座っていたわ。
エリー    …そうだったんですか。
キルエリッヒ …あら、私は自分のやりたいように楽しくやってるわよ。
       その意味では、私には魔界が性に合っているようね。
       だから、そんな哀れむような顔はしないでちょうだいね。
エリー    ご、ごめんなさい! そ、そうですよね。
キルエリッヒ …違うのよ。
       私が言いたいのは、そんな顔をしてたら、せっかくの美人が台無しってこと。
エリー    …あ!
キルエリッヒ うふふ。ちょっと、長話をしすぎたようね。
       本当は別の用事があったのだけどそれはまたの機会にするわ。
       …それと、私のこと美人て言ってくれて、ありがとう。
エリー    い、いいえ!
キルエリッヒ それじゃ、またね。
エリー    はい。

…………
…………

エリー …はあ。
    ビックリしました。
マリー うん。驚いたよね〜。
    けど、キリーさんはエリーのことずいぶん気に入ってるみたいだね
エリー そうですか?
    そうなら、嬉しいなぁ。





『となりの芝生』

マリー    キリーさん、どうして魔物たちはこっちの世界に来るんですか?
キルエリッヒ さあ、正確な理由なんて、当人たちに聞かないとわかりようがないわね。
       でも想像することはできるわ。
       きっと彼らは、こっちの世界にこがれているのよ。
       私は人間が好きではないけど、それでもこの世界がきれいだと思うことはあるもの。
マリー    この世界がきれいだから魔物はこの世界に来るんですか?
キルエリッヒ でも、それは魔界だって同じ。
       なぜ彼らはそれに気づかないのかしらね……。
       自分にふさわしい場所にいれば幸せでいられるのに。無理して人間界に来ても失望するだけよ。
       ……私のようにね。
マリー    キリーさん……
キルエリッヒ ふ、くだらない感傷だわ。
マリー    でも……魔物たちの気持ちがわかるわけじゃないけど、
       自分にふさわしい居場所に安住できない気持ちは、少しわかる気はします。
       確かに、居心地のいい場所ってあるけど、そこにいたら成長できないんですよ。
       満足をしちゃったら、そこから先へは進めなくなっちゃうんだ。
キルエリッヒ 魔物がそんなこと考えているなんて信じられないけど、そういうのも面白いわね。
マリー    へへ……





『聞かザル?』

マリー    キリーさん、ファーレンを倒して、魔界に帰ってから大変じゃありませんでしたか?
キルエリッヒ あら、どんなことがあったか知りたいの?
       ふふ、あなたに耐えられるかしら?
マリー    ……やめときます。





『人間界と魔界の関係』

キルエリッヒ ここらへんは自然環境が厳しいようだけど、それでも人間はいるのね。
エリー    魔物も、とても強くてここにくるだけでも大変ですよね。
キルエリッヒ そうね。こういった未開の地ほど魔力が強いのかもしれないわ。
エリー    どうしてなんだろう?
キルエリッヒ 強い魔物ほど多くの魔力を必要とするからしぜんと魔力の溜まるところに魔物も集まるの。
       そして魔力も水と同じ様に、高いところから低いところへ流れるのよ。
       だから、魔力にあふれる魔界からこちらに来るよりも、こちらから魔界に行く方が手間がかかるの。
エリー    へえ、なるほど……。
キルエリッヒ けど、この世界で人間の力が増えるほど魔力が減ってきているわ。
       もしかしたら、二つの世界はいずれ行き来できなくなるかもしれないわね。
エリー    そ、そうなんですか…?
キルエリッヒ 私が次元のほころびの原因を調べているのは知っているわよね。
       その理由がわかったとき、この二つの世界のつながる秘密がわかる気がしてならないのよ。
       私の存在する理由も、それを見つけるためにある。
       …そんな風に思うの。
エリー    ……キリーさん。
キルエリッヒ あら。重くとらないでね。
       どんな生い立ちの者であれ、自分の存在する意味って普通に考えるものでしょう?
       それだけのことよ。





『教会とキルエリッヒ』

マリー    あれ? あそこにいるのはキリーさん?
キルエリッヒ あら。あなたも祈りをささげに来たのかしら?
マリー    いえ。なんとなくですけど。キリーさんもお祈りですか?
キルエリッヒ ふふ。私は祈り方など知らないのよ。魔族なんだもの。
       だから、ここにきたのはあなたと同じ。
       なんとなく…かしらね。
       …それとも、私の中に流れる半分の血がそうさせたのかもね。
マリー    …………
       …………





『ミルカッセとキルエリッヒ』

マリー    あれ? キリーさんとミルカッセがなにか話してる。
キルエリッヒ …そう。
       いろいろ参考になったわ。ありがとう。
ミルカッセ  …いいえ。少しでもお役に立てれば光栄です。
キルエリッヒ じゃ、失礼するわ。
マリー    こんにちは。
       キリーさん。
キルエリッヒ あら。こんにちは。
       またお祈りかしら。ずいぶん熱心ね。
マリー    あはは…。
       そんなことないです。
       ところで、なにかお話してたみたいですけど。
キルエリッヒ 次元のほころびの原因を調べていくうちに
       人間の心と魔力には深い関係のあることがわかってきたわ。
       その裏づけを取るためにここに来たのよ。おかげで、もう少しで謎が解けそうなの。
       それじゃ、またね。
マリー    あ、はい。
       …………
       …………
       …もう少しで謎がとけるんだ。
ミルカッセ  あの方と、お知り合いなのですか?
マリー    うん。キリーさんて、言うんだよ。
ミルカッセ  …とても恐ろしい質問をたくさんされていました。
マリー    …え?
ミルカッセ  まるで、自分が人間ではないかのような物の言いよう。
       それに神をも恐れぬ言葉の数々。
       それが、とても恐ろしくて…
       悪い方とは思わないのですが、あの方はいったどういった方なのですか?
マリー    あわわ。
       た、たんに、研究熱心なだけな人だよ。
       だから、あまり気にしないほうがいいと思うよ。
ミルカッセ  …そうですか。
       …あの方にも、アルテナの加護のあらんことを…





『母の祈り』

マリー    ? …どうしたんだろ?
       …キリーさん。ひとりでたたずんでる……。
キルエリッヒ …………
       …………
マリー    キリーさん。
キルエリッヒ …あら、あなただったのね。
マリー    どうしたんですか?
キルエリッヒ …なぜ、教会を懐かしく感じるのか思い出したのよ。
       ここに通っているうちに私の幼い時の記憶が少しよみがえったの……
マリー    幼い時の記憶……?
キルエリッヒ そう。ほとんど忘れていた私が幼いときの母親のことをね。
マリー    ……!
キルエリッヒ 私の母は、いつも教会で祈っていたわ。毎日…毎日…あきることなく。
       ……娘に幸のあらんことを……ってね。
       そのとき、母がどんな気持ちで私のことを祈っていたか、なんとなくわかってしまったの。
       母も、私もこの運命を受け入れなければならなかった。
       ……母は祈るしかなかったのよ。
マリー    …………
       …………
キルエリッヒ そして、祈りというものがどういうものなのかもわかった気がするの。
       私は、自分を呪ううちに祈りを忘れていってしまったけど……
       人間は心をこうやって伝えていくのね……
マリー    キリーさん……
キルエリッヒ …そういえば、あなたは本を書いているのよね。
       あなたの本にはどんな祈りが込められているのかしらね。
マリー    …………
       …………
キルエリッヒ ……そろそろ私も帰らなきゃ。
マリー    …え?
キルエリッヒ わかったのよ。次元のほころびの原因が。
       また、あなたの力を借りることになるけど、そのときはよろしくお願いするわね……。
マリー    ……あ、キリーさん。
       ……行っちゃった。





『ほころびの原因は?』

キルエリッヒ こんにちは。
エリー    あ! キリーさん!
キルエリッヒ 次元のほころびの原因が知りたいのなら、私とエアフォルクの塔まで来てもらえるかしら。
       「闇の誘い」を持ってね。
エリー    !!
キルエリッヒ 準備が出来たらいつでも呼んでね。
       それじゃ。





『離れゆく世界』

マリー    あ!
       次元のほころびが、小さくなってきている!
キルエリッヒ だいぶ安定してきたようね。
       さあ。「闇の誘い」をあの中に投げ込むのよ。
マリー    は、はい!
       ちょっともったいない気もするけど……
       えいっ!
       あ! ほころびがさらに小さくなっていくよ!
キルエリッヒ …これで終わるわね。

(キリーの一枚絵)
キルエリッヒ そう、今回の次元のほころびの原因は……錬金術よ。
マルローネ  ええっ!?
キルエリッヒ 勘違いしないでほしいのだけど錬金術そのものが原因と言っているんじゃないわ。
       新しい力である錬金術が絶頂を迎えたことによって
       人間のさまざまな欲望の渦を呼び起こし、人間たちの心に揺らぎが生じたの
       それが、一時的に人間界の魔力を高め、次元のほころびを生じさせたのね。
       あなたたちが作った「闇への誘い」がそれを象徴しているわ。
マルローネ  …そうだったんですか。
キルエリッヒ けど、悲観しないで。
       人間は魔力以上の強い力を持ち始めているわ。心に宿る力をね。
       だから、人間自体が魔力を必要としなくなっているの。
       魔力が薄くなっていくのも当然。
       それは、すでにあなたも感じているはず。
       それと、私がこういうことを言うのもおかしいかもしれないけど…
       あなたが伝えてゆくべきものは錬金術そのものじゃない。
       あなたのなかにある心よ。
       錬金術は、その手立てでしかないわ。
       …ふふ。言わなくてもわかってるわよね。
マルローネ  …はい。
キルエリッヒ これで、ふたたび魔界への道はふさがれるわ。
       私も帰らなきゃ…。
マルローネ  そんな……。
キルエリッヒ 今回のことで、私の存在する意味もわかった気がするの。
       …ううん。私の存在自体がすでに答えなのよね。
       だから、私の生きる場所はやはり魔界。
       そう決めたのよ。
マルローネ  あたしにはまだわかりません……。
キルエリッヒ あなたたちもこの世界でがんばっているんだもの。
       私もがんばらなきゃいけない。
       そういうことよ。
       それじゃ、行くわね。
マルローネ  !
       ……また会えますよね!?
キルエリッヒ …そうね。
       またいずれ、ね。
       …ありがとう。
マリー    …さようなら。
       キリーさん……





『キリー再び…』

キルエリッヒ あら、あなたたち。
マリー    あ! キリーさん!
キルエリッヒ …どうやらあなたのせいみたいね。
マリー    え?
キルエリッヒ 魔界からこっちの世界へかなりの数の魔物が出ていったのよ。
       そんなに簡単に行き来できないのは、あなたも知っているわよね。
マリー    …はい。
キルエリッヒ …まだ、「闇への誘い」を持っているんじゃなくて?
マリー    あ!
キルエリッヒ …しかたないわね。
       いずれ、行き来できなくなるにしても、ほっとけないわ。
       しばらく、人間界で魔物の様子を見なければね。
マリー    じゃ、また人間界にもどってくるんですね!
キルエリッヒ 魔物が大量に人間界に流れていったのよ。
       喜んでいる場合じゃないでしょ?
マリー    そ、そうですよね……。トホホ。
キルエリッヒ ほんとうに、世話が焼けるわね。
       けど正直、またあなたに会えて私も嬉しいのかもしれないわ。
       …おかしなものね。
       じゃ、先に街に向かっているからなにかあったら声をかけてちょうだいね。
マリー    はい!







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