FIRE EMBLEM 暗黒竜と光の剣(20) 「NAME」
(2011年8月) |
君の名には意味がある。 おおよその者がそれと知る、連想の中に絵筆を含めた人物。 君という『絵筆』で何を描けるだろうか。 騎士と言ったところで、その槍が鋭くなるには長い時間と手間が必要になる。 剣にしても、優れた人間が他に沢山いる。 自ら語らぬ妹の事情を語るために求められている、それだけ。 そう、それだけ。 銀の名を冠する槍を手にすることを許されているが、やはり唯一のものではない。 君から優れた才を見出すのは難しい。 だが、それでも戦うことはできる。 優れた者の何倍も時間をかけようとも。 思うように伸びない結果の覚悟をより多く求められていようとも。 そうした人間が戦い、立ち向かう事の証明ができる。 君は戦いが嫌いだと言う。 仕方なく立つ戦いの場。 端くれとして散ると薄々感じている。 その生は、尊くもあり、歓迎せざるものとも受け止められる。 数奇に渦巻く中心に居る君。 混淆を持つ事こそが価値ある証左である。 |