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「HARD HEART」あとがき




HARD HEART+版Ver
完全版Ver

*HARD HAERT初版紛失中



 

HARD HEART+あとがき



 ……ずいぶん長くなってしまいました。

 まずは終わったはずの「HARD HEART」に+(プラス。読み方は語尾下がりの調子で)がついたことについて、言い訳をしておきます。

 本当は、前作のあとがきにあったようにワーレンの話を先にお届けする予定だったのですが、このままではマチスがアリティア軍に同行する動機が見えないままになってしまうことを懸念して(あのラストは何だかなぁという思いもありましたから)、後編扱いの本作を出すことにしたのです。

 元のゲームから省みると、ずいぶん話が大きくなったというか、そんな使命めいたものにしていいの? とまで思われるような展開ですが、せっかくの主役なので、ここまでやってみました。善良ぶって気に食わないとか、戦争はそんなに甘くまいだろとか、まぁそういう感想を持たれるような予感はしますが、まずメディウスが第一の敵ですので、こんな風になったわけです。

 マチスを貴族に帰り咲かせるというのは、マルスが最悪の状況を想定して考えたことですので、最終的に新王の側近になるとは限りません。ゲーム通りにいくとしたら、マケドニア王女のミネルバが寝返ってくるわけですから……。

 ただ、マチスの考えている方向性がちょっとわかりづらかったかな……と。方向性というか、そのものの説明が煩雑になってしまったという方が正しいでしょう……。ちょっとテンパってました。

 今回、大部分を半一人称(正確にはどう呼ぶのかは知りませんが、地の文で内なる感情の表現をする対象をひとりにおさえたものです)でやりました。今までマチスが主役と言いつつ、レナに出番を奪われてしまっていたのと、決起に際してこのシリーズでのマチス像を浮かび上がらせるのが目的だったのです。うまくいっているのかどうか、それは読んだ方に伺うしかないのですが……こんな方法もアリかな、と思っています。もしかして、こういうのは当たり前なのでしょうか……。

 でも、最後の方はえらくごちゃごちゃになってしまって、クォリティが下がったのが悔やまれます……。

 マチスの名前の由来について。多分、マチスという名前は、画家のマチスから取ったのだと思い、設定を打ち立てました。アカネイアの過去の歴史に手を加えるのは問題かもしれないなとは思ったのですが、せっかく考えたものを埋もれさせるのはもったいないし、この名前をつけた理由ってのもかなり後でできると思いますので、この話を気に入ってくださった方が楽しみにしていただければと考えています。

 もっとも、画家のマチスの方は姓なのですが、元のゲームでレナが「マチス兄さん」って言ってたから、こっちは名前でしょ、と割り切りました。

カインの出番がやたらと多くなってしまいました。前回のラストで出てきたのが原因なのでしょう……。それにしても、前回のあとがきでは失礼なことを書いてしまいました。「特に思い入れがない」なんて、ファンの方からすれば胸に突き刺さる言葉なんですよね。反省してます。

 どうしてしまったのか、星の王子様、性格が曲がっています。善の方向を向きながらも決して善そのものではありません。メディウスを倒す必要があるので、弱くては困るという設定をつけたつもりですが、毒を吐けと言った覚えはないのですよ……? それにしても、こんな総大将は兵士の皆さんからしてみるとちょっとイヤかもしれない……。

 筆者の書く元の主人公は何故だかこの傾向が強いんです。完全にはまっすぐじゃないようになってしまうというか。一点では恐ろしくまっすぐなのですが。

 レナについて「元に較べて弱い」という評をいただいたので、一年たったらこうなのよ〜と喋ってもらいました。で、「HARD HEART」を書き終わってから知ったのですが、BS版によるとレナはパレス陥落の時点(602年)ですでに家出をしていたことになっています……。1年以上前じゃないか! と青くなったなんてものじゃ済まないことなのですが、もう取り返しのつかないことですし、開き直ることにしました。プレーした人が少ないってのもあるかな。筆者もプレーはしていません。

 それにしても、またジュリアンのことをやり損ねました。このテーマ、やらなきゃいけないとはわかっているのですが……。

 冒頭は良かったな〜と内心でヒットしたと思ったドーガ。FC版のエンディングで、「新たな戦いの場を求めて放浪している」とあったので、そこから想像を膨らましてこういう設定になりました。このシリーズ、FC版のいいところはそのままにし、それで足りなければSFC版の特徴を借りるというように(基本的には)しています。10キロ太ったとか言われてるのは何やら気の毒のような気もしましたし。人当たりがよくていい、と言えなくもないですが……。

 シーダの恰好は、「ペガサスナイトにミニスカートはないだろ」との筆者のツッコミの心からきています。戦装束というものは華美なものより、実用一辺倒の方が納得がいくのです……。

 死なない発言は鼓舞するというか、戦場に出てハイテンションになったと思って下されば近いかと思います。

 またオリジナルキャラが増えました。どうしても、元の登場人物だけでは話の展開を味付けしきれないので。

 マリク……というか、魔道関連。筆者はモノとかを作り込むのが好きなので、かなり暴走してしまいました。それに伴って、前作の変形エクスカリバーをマチスが感知できた理由、というのをやりました。変な特殊能力ですが、実際に役に立つ日はくるのかどうか、非常に微妙です。

 好きなのに出せないキャラというのもいまして、カシムがそれに当たります。今回の話の特性上、アリティア軍中枢の人達ばかり出てきてしまったためなのです。ダロスのFC版限定キャラですからクローズアップさせたいのですが、彼についてはペラティで前面に押し出す予定ですので、順番通りなら2作先に彼が出るはずです。リフも、も少し出したいけど、どうなるだろ……。


 次回予告。……次こそワーレンをやります。同時発行をしたかったのですが、この話で時間を食い過ぎました……。ロジャーの登場はもちろん、あの地形ならではの戦闘をやりたいのです! でも、ドーガやバヌトゥに頼るわけではないので、ちょっと意外な形を展開できるかも……と書く人間が楽しみにしたりしています。それに、今回でかなり固い話をやってしまったので、そろそろ明るい話もやりたい……。



 最後まで読んで下さった皆様へ。興味を持ってくださる限りで構いませんので、このシリーズにおつきあいくださいませ。
 感想・質問・疑問・批評などを、心からお待ちしております……。
 ありがとうございました。

 2001.08.08 CD
(変な名前ですが、これがペンネームです。
もしかしたら、気づいてもらえないかもしれないので念のため)



Special thanks!
 蒼芭 若狭嬢、Fax用紙が何メートル使われたのかあまり想像したくないほどにリライトのチェックをしていただき、今回は本当にお世話になりました。
「未完成でも見る」と言ってくれたその言葉を信じ、これからもお世話になります……。



恒例:使用BGM 執筆期間が二ヶ月以上と長かった今回(でも、没率がことの他高かったです。効率の悪い戦いでした)は、かなり多くの曲を使いました。場面想定のものもありますが、大抵はその時の気分で書いてます。……何もかけてない時が一番進むという傾向が強いですが、書き始めるまでの時間もかかるのです。


『地上の星』
アルバム・beatmaniaIIDX 5thstyle
アルバム・beatmaniaIIDX 4thstyleよりNEW YORK CITY BOY,FANTASY,JIVE INTO THE NIGHT
『ultra soul』
『アポロ』









 

完全版あとがき



 今回はオレルアン草原編ということでしたが、イレギュラー要素をかなり入れさせていただきました(というか、わたしの書くものは常にこれがつきまとう気がしますが……)。

 ゲーム通りにするならば戦場で兄妹の会話をさせるべきだったんですが、さすがにそれはどうだろうということであんな形になったりしてますし、エクスかリバー関連で相当いじらせてもらっています。

 ただ、壊している人はもっと壊しているだろうから、この程度は常識の範囲内になってしまうのかもしれないかな……とも思っています。


 前作『INSTORE』でレナが元に較べて弱いという評をいただいていましたが、「一年経ったらこうなりました」ということで色々動いたり喋ったりしてもらいました。

なお、BS版とは家を出た時期が異なります。この話を書き終わった後でその事実を見つけてしまったので……まぁ、開き直ったということでお願いします。


 後半の冒頭で何だか書きやすい人だなぁと思ったドーガですが、FC版を基本モデルにしています。設定などはFC版のエンディングで「新たな戦いの場を求めて放浪している」とあったので、そこから印象を膨らませた次第ですね。このシリーズ、FC版のいいところはそのままにして、それで足りなければSFC版の特徴を借りるというスタンスにしています(このシリーズの主役を筆頭として例外な人もいますが)。


 マチスの名前の由来については、元々どこから借りてきたのかがはっきりしている(暗黒竜・紋章のみならずFE作品の中では、能力が高めではない王侯貴族に芸術家の名前がつけられる傾向があります)ので、そこを少しだけいじって使わせていただきました。もっとも、元のモデルとなった画家のマチスは姓なんですが、レナが「マチス兄さん」と呼んでいたのでこういうものなのかな、と判断しています。


 星の王子様の性格が曲がっていますが仕様……じゃなくて、一点において恐ろしくまっすぐになってしまった結果、ああいう形になりました。


 ルザとアイルだけでも多いと思ったのですが、またオリジナルキャラクターが増えました。

 元の登場人物だけでマチスの話を組み立てるのには限界があるというわけで、彼らにはある意味最も間近な距離から主役に関わってもらおうと思っています。



 この話は元々二冊になっていたものを合わせた関係上、前後編の繋がりが少しずれています。

後編の話はあんなに長いのですが、実は『HARD HEART』とタイトルをつけてこの本の前編部分だけを発行したものの、この終わり方がどうにもしっくり来なかったので『HARD HEART+』として付け足しの話として生まれたといういわくつきのものでした。ちなみに、タイトルの意味は「硬き心」。主に前編のマチスに当てています。

 合わせて1冊で発行するにあたって、前後編のつながりをきれいにしてしまっても良かったんですが、それだと以前のバージョンと異なる事実が出てくる恐れがあったので、全ての読者様にほぼ同じ状態を提供しようとの思いでこのような形になりました。ただ、前編のマチスとマルスの戦闘シーンだけは大幅な訂正を施しています。両方のバージョンをお持ちの方には(あまりいないとは思いますが)その点を報告させていただきます。



 では、最後までおつきあいいただいた皆様、ありがとうございました。

 興味を持っていただける限り、またお会いできることを願っています。

2005.07.21 CD




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