トップサイトマップ長文雑記トップ>2008年10月5日

長文雑記
2008-10-05 beatmaniaとの出会い
−家庭用発売10周年に寄せて

*記憶を頼りにして書いているので
名称・プログラム順など異なる点があるかもしれません、何卒ご了承を





 長文雑記第一回としてこのタイトルを取り上げたのは、家庭用beatmania発売10年ということで振り返りたくなった思いに拠るものである。


 今となってはゲームセンターに行くのに何の抵抗もないけど、beatmaniaに出会うまでは「恐い」「金を浪費する」「対処不可能な人種がいる(に違いない)」という思い込みがあって、プリクラ人気が出ていたけどこれまた苦手分野ということで絶対に自分からは足を踏み入れない場所だった。
 それが変わったのは1998年7月、ファミ通500号記念イベントへ行った事だ。

 ファミ通に関しては、熱心な、というよりは購読し続けているだけの読者だったし、大勢の人が集まるこの手のイベントには足が向かないものだから、後日の発売号でレポートを読んで終わるのが通例。記念企画が山とあったけど、それだけでは足を運ぶ決め手にはならない。
 けど、当時のわたしというのはペルソナとかFE聖戦の系譜といったRPGをずーっと繰り返しプレーしていて、それはそれで良かったんだけど、たまには新作ゲームを触りに行った方がいいのかなぁ……と、たまたま思い、軽い気持ちで出かけてみることにした。

 が、着いてみたらえらい行列になっていて、そんな中で「ファミ通」のイントネーションが自分で思っていたのと違っていた事に密やかにガッカリしながらも会場内へ。
 ゲームのプレーはあまりせずに、ふらふら見て回った覚えがあるというのが一日目の感想。
 そう、このイベントは二日間行われたのだ。

 そして二日目。
 イベントの最後の方で読者投票による「心のベストゲーム100」を発表するというので、ファミコン勢がどこまで食い込むかという期待を持ちながら、イベント観覧スペースへ。
 このスペースに入ったのは昼頃で、編集者トークショーなどが行われていたのだけど、そのうちのプログラム内に「めざせ! ビートマニ王」というものがあった。
 タイトルのセンスは置いておくにしても、はっきり言ってその中身は正体不明。だけど、これを機に前の方が空いて見やすくなったので目当てのイベントまで陣取っていようと観覧の好位置をキープ。
 その妙なタイトルのイベントは当時2nd MIXだったbeatmaniaの筐体を使った大会。 とはいえ、その時はルールも知らないしもちろん楽曲を知るはずもなく、正直画面を見てもそう感じ入る事もなかった。20,Novermberも課題曲の中に入っていたけど、記憶に残らなかったほどである。
 が、最後に聴こえたska a go goだけは違った。
 周囲から聞こえる歓声の意味はわからない。けど、耳に入る音は攻撃的なのに戦闘的ではないラテンっぽさで、そのくせラストは怒涛の展開。一発で心を奪われた。
 このゲームの正体はよくわからないけど、10月に家庭用が発売されるというのですぐさま購入スケジュールにねじ込んだほど。

 後日、どうしてもska a go goを聴きたくてサントラを探し、発売日までの間ska a go goだけをかなり聴いていた覚えがある。
 最初に買ったのは1stRemixだった、というポカはやらかしたけど、まあそれはそれ。

 そして10月1日、最初の家庭用beatmaniaが発売された。
 折悪しく専用コントローラーまで買う費用は出なかったのでソフトのみを開店一番で購入し、念願のska a go goをプレー……はできなかった。
 bm2ndを知っている人はこのくだりで思いっきりニヤニヤしているだろう。この曲は最難関なのである。しかも一歩手前の難易度の曲から体感的には二段階以上の差がある。
 もっとも、それ以前の問題として入口たるu gotta grooveすら満足にクリアできず、家庭用付属のYebisu MIXで"猫踏んじゃった"ことCat Songに長いことお世話になる始末。
 それでも毎日毎日プレーして(大音量でPAPAYAPA BOSSAのパーフェクトを狙ってお隣から苦情が来たこともあった)、一月半の後には実力を上げて普通のコントローラーのままでska a go goをクリア。その頃にはもう3rd MIXが稼動していて恐る恐るながらもゲームセンターへ行くこともできていた。

 この熱は2nd MIX収録の初代に留まらず、正統バージョンアップ作は発売日に必ず購入して飽く事なくプレー、その他の家庭用ソフトもほとんど所持している。
 家庭用から入ったせいか、5th辺りから家庭用初出曲の方に思い入れが強くなったのはご愛嬌。



 普通のコントローラーでプレーできるという理由で、beatmaniaに関しては家庭用の方が比重がかかっているけど、聴く音楽の幅、行動範囲を広げたきっかけになった事、RPG中心だったゲームのスタイルを一変させた……それだけに自分の中で存在感はものすごく大きい。もちろん、ゲームそのものも音楽ゲームの中で一番好きだ。
 ……余談ながら、メタルマックス2というRPGに酒場に置かれたジュークボックスというものがあって、4つのボタンでそれぞれ異なった音を出す、という代物だった。本編そっちのけ、というほどではなかったけどゲーム内で見かけるとどうでもいいリズムの並びを頭の中で繰り広げ、ボタンを押して刻んでいたのである。beatmania、特に家庭用を好きなのはこうした下地で「コントローラーで音に触れられる」点が要因のひとつと言える。

 業務用で最終作が稼動して5年、未だ家庭用の移植が叶わないのは、時期を逃したが為に移植の手間がひどくかかってしまう状況にあるという。
 移植初代作は100万本近くを売り上げた。だが、ブームになってしまった弊害もあって売り上げが落ち込むと共に移植も後半の途中で止まってしまった。
 今の音楽ゲームの中では決して派手な方には入らないけど、5つのキーとスクラッチ入力は音に触れる事を大切に、密にできるスタイルだった。結果として、プレイヤーの遊ぶ余地をより多く残していたように思う。
 音に触れる遊びとして提供されたbeatmania、今となっては稼動している店も少なくなってきている。だからこそ、家でプレーできる環境が欲しい。
 最後の作品6th+COREREMIXから6年、最終作までの移植を今でも待ち続けている。


<この項、了>




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