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エルファリア 開発者語録



(引用の注釈がないものはあだち氏のコメント)

- REDの旧サイトREDZONEより -

天外メモ4

*南洋ロープレ=西洋があって、東洋があるんだから、
南洋ロープレというのもあるだろう……と言ったら、
<エルファリア>の企画を立ち上げる時、皆に笑われた。結構、本気だったのだが、
乗りが無いのにごり押しするほど、ネタを持っているわけでもないので
それはそれで終ったけど、熱帯の島々をプカプカ、
船に揺られて冒険するのもいいよナー…… というより、その頃読んだ、
荒俣さんの「地球暗黒記」の<ナナ・ヌウ>というような響きに
私もときめいていたのだ。諸星大二郎の「マッドメン」シリーズみたいなの……、
あるいは、マウイの神話を下敷きにしたようなお話し。……その辺で停まっている。





旧REDサイトの読書日記1によると、
エルファリアのゲームシナリオから手を放せそうだった時期は1992年の3月。
発売の10ヶ月前である。




同日記より、
エルファリアIIの企画が立ち上がったのは1993年頃と推測。





読書日記9より
ただいま、<指輪物語>6冊目。
まっこと、ゲームで扱うファンタジー世界の 祖というべきものだと感じる。
<ゼルダの伝説>は大いに<指輪物語>の影響下 にある……と思う。
もっと早くに読んでいたら、<エルファリア>なんか、雰囲気、違ってたかもしれない。
世界の歴史が作ってあって、それを前提にして、
種族の違うキャラクター同士が喋る……というのは、
理想とする所だが、簡単に出来ないのだよな。



攻略本より

  • マルチパーティにする事は最初の段階で決まっていた。
    元々は人がどんどん集まってくる話を作れるのではないか、と。

  • 時を越えるアイデアが途中に入る。それ以前にはゼクとファーミアが主人公だったストーリーがあったらしい。

  • トリアスは当初敵であり、何度か現れるうちに味方になるという話だった。

  • パピというのは後から入れられたキャラで、エルルと旅をしていたのは吟遊詩人の若者。

  • 最終的には16人に落ち着いたが、もともとは20人を超える予定だった。

(以上、あだち氏インタビューより)


  • メルドできるアイテムが5つなのはごろが良かったから。
  • 兜、鎧、小手、剣、盾といった従来の装備位置を意識したものではない。
  • 元々は剣を5本持てるというよりも、ハーブでさえも装備できるという発想。

  • これまでのRPGは数値だけのものになってしまっているが、
  • アイテムの持つ輝きというか喜びを出せるメルドを出したかったとのこと。

(以上、桶谷氏インタビューより)

*この項、資料として抜粋。

2007/08/26





 ここからは当サイト管理人の私見です。


・南洋ロープレのくだり
 エルファリアの企画を立ち上げる時というから、相当初期の話なのでしょう。何というか、南半球っぽいイメージ。
 エルファリアのサブタイトルは「THE ISLE OF THE BLEST」。ほぼ直訳で“祝福されし島”と解釈しているけど、こういうところになごりがあるのかもしれない。
 エルファリアはあれで世界全てなのに何で島なんだっていう気はしていたけど、こういう事だったのかも。




・種族の話
 エルファリアでの種族は人間、エルフ、グリフ、魔物。
 もっと種族というものを前面に意識したら……という想像はなんとなくつくが、南洋ロープレから始まるあだち氏の発言が作り手による「全く見たことのない世界」を強く望んでいるのに、製品版のエルファリアでは人間色が強く出ており、かつ、リーダーの面々が割とゲームのお約束にかなっている範囲で収まっているあたり(それでもパインの属性や行く末、個性的すぎるカーラモンのキャラクター性からどうにか抜け出そうという節は見えるけれど)、異種族を強く意識させるのは厳しいような気がする。
 というか、日本ではそういうものはウケが悪いイメージがあるので、企画として通るのかなぁ……という感も。





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